治療家セミナー講師の山根悟が機能運動医学の大事な3ポイントを解説

「どんなことが原因となって身体の不調を引き起こしてしまうのかを知りたい」
「原因を知って患者さんに早く提供できるようになりたい」

日本人の4人に1人が腰痛になって、延べ2800万人以上居るとされています。長時間座っていることの多いパソコンやスマホを触らない日がありません。腰や股関節まわりの筋肉が疲れてきて、股関節の動きが悪くなり、骨盤が不安定になった結果猫背となります。では何が原因となって身体の不調を訴えるのでしょうか?

機能運動医学とは?

運動機関は、「動きのある機能」と「安定させる機能」に分けることが出来ます。例えば、股関節は、動くことが主な仕事です。もし股関節が動かないとしたら、他の部位が補正をしなければいけません。その結果、近隣の膝や腰の関節に負担がかかります。腰は安定させることが仕事となります。臀部の筋肉が硬く弱い人は背中が丸まりやすくなります。すると背中の関節が動かなくなり、腰の働きを強めてしまうのです。

足を組む習慣がある人は、腰まわりの筋肉が衰えているサインです。両足を同じ位置に維持できないので、足を組むことで腰の一部を休ませている状態なのです。

柔軟性がある人は、筋肉が伸びるようなイメージがあると思いますが、痛みのセンサーでもある「真皮」「筋膜」「関節包」の特典が高ければ柔軟性が決まってきますし、身体の柔らかさは筋肉よりも関節の動きが大事になります。例えば、股関節自体が変形してしまえば、筋肉がどれだけ伸びたとしても確実に180°の開脚は出来ません。機能障害として、身体がどれだけ柔らかいか、伸びるかではなく、支える力の不足(安定性の欠如)や左右差が原因で壊れることが多くなります。

機能運動医学のポイント 機能運動性

機能運動性とは、「柔軟性(関節可動域)」「安定性(筋肉の強さ)」「バランス(動きの協調性)」の事を言い、3つの得点が高ければ身体を動かしたいように動かせる能力となります。この機能運動性を高める為には以下の3点が必要となります。

機能運動性を高める為に① 軟部組織のリリースをする

軟部組織とは痛みのセンサーでもある「真皮」「筋膜」「関節包」といったコラーゲン繊維のことを刺します。この部分に対してマッサージやモビリゼーション、カイロプラクティックなどの手技療法によってリリースさせる必要があります。

機能運動性を高める為に② 身体の正しい使い方を知る

身体が疲れやすく、自由に動きにくくなる理由として「運動をしないから」ではなく、「偏った使い方しかしないから」機能運動性が失われていくのです。基本的に人間は左足で立っていると言われています。このように偏った重心のかけ方をすることによって、右手で作業をしやすくなり使用する頻度も高まります。偏った使い方を続けることによって、身体も偏ったクセが付いて結果的に歪みとされていきます。

機能運動性を高める為に③ 足腰の強さとバランス感覚を身に付ける

体力の衰えは、機能運動性が落ちているからです。大切なことは、柔軟性(筋肉や関節の動き)を出しても、安定性(強さ)がないとすぐに壊れてしまいます。その為には支えるトレーニングが必要になってきます、支える為の効果的な運動は「有酸素運動」と「筋トレになります。」

  1. ・中程度の有酸素運動を1週間に150分行う
  2. ・身体の主な部位を全て使った筋トレを週2回以上行う

機能運動医学 身体を動かせばいいのか?

「身体は使っているようにしか進化しない」生活習慣病は、本当に使っているように進化した結果です。日々気をつける事、どんな身体にしたいのか?どんんあ身体を手に入れたいのかとしっかりした未来像を持って身体作りをするように勧めましょう。

一日に何百回スクワットをしても、毎日1万歩以上歩いても、それほど高い効果は望めません。疲れ知らずの動ける身体作りをするのであれば、毎日ストレッチをしてもほとんど意味がありません。人間の日常動作は、ストレッチの動きだけではないからです。

毎日がケガの連続です。日常のどんな繊細な動きでも、私たちの身体は軟部組織(筋肉・靭帯)の細かい故障、破れなどを頻繁に引き起こしています。その部分に対して修復する際に、かさぶたのような癒着、硬い状態が作られ、十分に回復しないと筋肉が硬く、短く、弱くなるという負のサイクルが始まります。次第に関節まで動きが制限されて、身体は硬く動かなくなります。

機能運動性をチェックするテスト法

実際に患者さんに実践してもらう為には以下の3つのテストを試みてみましょう。

①マンテスト

マンテスト

小脳や三半規管など平衡感覚に関わる部分をチェックする検査で、パイロットにおける航空身体検査でも使われる検査になります。併願した状態でゆっくり10数え、その間に上体の揺れ具合を確認します。右脚前にしたときと、左足前にしたときの両方を比較させます。他覚的に違いが分からない場合には、患者さん本人に「どちらのほうが立ちやすかったのか?」を訪ねるようにしましょう。その際には以下の事を参考にしましょう。

  1. 日頃からめまいのある人が出来ない場合…三半規管の機能に左右差があり、小脳がそれを修復出来ていない
  2. 二頃からめまいのない人が出来ない場合…自覚症状がないだけで、将来めまいを引き起こしやすい可能性が高い
  3. 日頃からめまいのある人が出来たら…三半規管以外の理由でめまいが起きている可能性が高い

めまいのある方の共通点として、頚肩背部に強いコリがあり、交感神経が優位になっています。硬くなった筋肉を和らげ、緊張して力が入らない姿勢や呼吸法、身体の使い方を覚えることが大切となります。

②片足立ちバランス

片足立ち

その場で片足立ちをして、30秒間キープさせます。上体が揺れる場合には、骨盤や背骨の歪み。股関節周りの筋肉が弱い傾向があります。

③壁立ち

壁立ち

肩を壁につけて、肘90°、手首、小指をつけます。壁に背中をつけて手首や小指をつけたまま肩を90°に保ち、肩甲骨を背骨側に寄せて30秒間キープさせます。この時に小指が付かない、手首が付かない、などといった隙間が出来ている場合には、骨盤や背骨の歪みが考えられます。

 

まとめ

機能運動性が高ければ、痛みや身体の疲労度も変化してきます。初診時などに検査項目として加えることによって、治療前と治療後のビフォーアフターとしても用いることが出来ます。まずは3つの機能運動性のテスト法を試して、患者さん自身が今の身体の状況を把握できるようにしてみましょう。

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