仙腸関節の機能異常|11個の鑑別・触診検査法について徹底解説

鑑別・触診検査法が何故大事なのか?

世の中で一番多い症状が腰痛です。日本には2800万人の腰痛患者が居ると言われています。医学が進歩しているにも関わらず、何故腰痛患者が減らないのでしょうか?それは2つ考えられるのですが

  1. 診断を間違えている
  2. 治療法を間違えている

この2つです。

本来、診断はどの医者でも一致することが原則でそれが内科医だろうがカイロプラクター、整形外科医、柔道整復師でも同じ答えがあって、その上で治療法が異なることが普通です。

ここで最も大事なことは『診断』です。治療法は様々で、診断さえ間違っていなければどんな治療法でも治るはずです。

仙腸関節・骨盤のリスティング

まずは仙腸関節の正常な動きを理解する必要があります。

仙腸関節(SI Joint)は仙骨と腸骨の間に指を置き、仙骨と腸骨の動きを両方同時に感じるように触診します。座った状態で状態をやや前屈させると状態に引っ張られる仙骨は前方へ、逆に腸骨は下方(PI方向)に動くのでお互いが離れていくような動きをします。逆に身体を少し後ろに反らせる状態に持って行くと、仙骨が後方、腸骨は上方(AS方向)に動きます。これはお互いが近づいてくるような動きをします。

1558866418888

黒い部分は仙腸関節の浮腫・炎症が起きやすい部位です。線維性軟骨組織や仙腸靭帯の過剰な緊張の為、PI側の後上方・AS側の後下方のそれぞれ浮腫・炎症性の変化が起きやすい部分となります。

仙腸関節の異常?筋肉の異常?

身体の8割は筋肉により支えられていて、残りの2割は骨格の安定性により成立しています。異常は必ず筋肉の損傷から起きてくるので、まずは筋肉からアプローチするべきです。筋肉の故障は「使い過ぎ」によって壊れた組織が修復されるときに硬くなって、癒着という状態を作り組織自体が違う組織になることです。この場合は血液も酸素も入らない為癒着を治す為には、血液を循環させて酸素を供給しなければいけません。

固まった組織を壊すわけなので、炎症を起こし痛みが出て数日で回復し組織も回復していきます。

炎症は悪いものではなく、身体が壊れたというサインに対して治そうとする時に起こる現象です。言い換えると慢性痛は炎症が無い状態なので、炎症を起こすことで身体は改善します。

手技やテクニックによって症状の改善は見られますが、機能運動学的に「柔軟性」「安定性」「バランス」が正常と成り初めて健康が得られ腰痛から解放されるのです。

それだけ重要な診断となるので、どのように悪いものなのかをチェック出来るように鑑別と触診法をしっかり身に付けるようにしましょう。

仙腸関節異常の鑑別・触診検査法

①変形トレンデレンブルグ・テスト

立位にて、どちらかの下肢を片方ずつ挙上する。(ルーイン・スタンディングテスト)

②抱え込み・テスト

写真の様に十分に伸ばせないようであれば、腰の過伸展(反り過ぎ)による腰痛、膝痛が起こる可能性が高くなります。

③ラテラルスウェイ・テスト

立位で足を肩幅に開き、術者は両母指を左右のPSIS(上後腸骨棘)に当てて左右に身体を揺らすようにスウェイさせて、両母指の上下の動きをチェックします。

④片手PSIS仙骨上下動テスト(ニューテーション)

立位で左手母指を尾骨に、示指をPSISにコンタクトした状態で患者に腰を屈曲させて母指・示指間が開閉するか否かを調べます。(仙骨は約35°の傾斜角があり、後方回転した側が高くなり、前方回転した方が低くなる)

⑤座位開閉テスト

患者を椅子に座らせてます。術者は両母指を左右のPSISに当てて患者の足を開閉させて指の動きをチェックします。開脚で両母指を内に、閉脚で外にそれぞれ移動しますが仙腸関節の異常が診られる場合は関節の動きがありません。

⑥側臥位PSIS動きテスト

右手を上方のPSISにコンタクトをして左手で患者が胸に近づいた膝を動かしPSISの動きの有無を確認する。写真は左側のPSISだが、右側も同様にチェックしましょう。

⑦立位による腰部の柔軟テスト

屈曲80°・伸展30°・側屈35°・回旋45°(平均の関節可動域)の動きを取らせながら関節の動きや靭帯の伸張、筋肉の硬さなどを診ます。

⑧ゲンズレンテスト(仙腸関節の検査)

右脚を胸につけるように固定して、左足を更に伸展させると、曲げた側に痛みが出る場合は仙腸関節に動きが無い場合があります。

⑧腰仙関節の検査

曲げた側に痛みがあれば、腰椎の一番下に関節の動きが無いと考えます。反対に痛みが出れば「筋肉」「椎間板」を痛めている可能性があります。

⑨SLR

下肢を挙上していく際に仙腸関節、腰仙部、ハムストリングスのいずれかに問題があるか鑑別診断します。

⑩ブラガードテスト

SLRで痛みが出た点から少し下げて、足首をほんの少し背屈して痛みが出るようなら神経根炎を疑います。

⑪ダブルレッグレイジングテスト

両足が上がりにくければ、腰仙関節炎を疑います。急性腰痛などのぎっくり腰では全く上がらないのでそのような場合は筋膜炎を疑います。

仙腸関節機能異常の鑑別・触診検査法:まとめ

ヘルニアと診断されてもアメリカのリサーチでは、腰痛ではない人の6割が陽性と判断され結果、ヘルニアは腰痛の主因とは断定できないとの報告もされています。

ヘルニアだから治らないという患者さんにたいして、その上下左右を治療することで90%以上の治癒率がありあmす。しかしあくまでもどこかの先生の誤診であり、検査法、治療法が間違っていた場合がほとんどです。

痛みのセンサーでもある真皮・筋膜・関節包に動きをつける治療によって十分改善させることは間違いありません。とことん検査や鑑別に精査を持つことが治療を成功させることに繋がります。
LINE@バナー